第103回新人漫画賞大発表!!

入選2本、佳作4本を含む総勢18名が雑誌とWEBで掲載決定!! 特別奨励賞は12本!! 奨励賞は7本!! 受賞者のすべてをここに発表!!

入選 賞金100万円GET!!

獅鬼童
獅鬼童

裏那 圭(23)50P

宮島礼吏先生コメント

絵が一番上手い。デザインセンスも個性も有る上に現代的なキャラ感を含めた作風と一貫性が有るのが尚素晴らしい。無駄に舞台を拡げず、キャラのやり取りで作られたネームも自分の武器を分かってる。瞳の描き方が好き。でもこの瞳を描く人の課題は感情移入。でも読者に優しい話作りが出来ているし出来るはず。画力が羨ましい。

編集部コメント

圧巻の画力だ。特徴的な絵柄で、刀を携えたキャラ達が実に生き生きと原稿用紙の中で駆け回っている。最強の称号「獅鬼刃」を目指す主人公とそのライバル達によるバトル漫画。題材としては非常にオーソドックスだが、前述の通り、圧倒的な表現力が作品に個性を与えている。人はすぐ“その気になる”生き物だ。実際、この作品を読むと、少し自分が強くなった気分になる。そしてその感覚は、バトル漫画に求められる最も重要な要素の一つでもある。バトルの展開に少しアイディア不足を感じたものの、今回の受賞の勢いそのままに、一刻も早く連載を獲得してほしい。

この作品は公式アプリ『マガポケ』で読めます

ホリゾンブルー
ホリゾンブルー

大熊サイヤ(22)50P

宮島礼吏先生コメント

状況ではなく価値観が移り変わっていく筋が書けるのは作家として強い。両者ともエグ味の有るキャラなのに嫌味の無い描き方が上手い。詰め込みの割に読み易い。「楽しくしてなきゃ死ぬ程惨め」は向こう半年自問自答したい。感情移入のピークがヒロインにあるのが寂しい。結局はお互いが与え合ってるという着地は爽やかだけどもう一歩見たい。ラスト鳥肌、絵だけでその意味を伝え切った見開きは最高。

編集部コメント

傑作。主人公の物語とヒロインの物語が共鳴して進み、最後には彼らだけの結末を得る。絵を描くだけの物語が、ここまでの深みに達した。特に主人公が葛藤する1枚絵がすごい。感情がダイレクトに伝わってくる、技巧を越えた魂のこもった表情に震えた。明るく読みやすい導入部、丁寧な画面作り、キャラの掘り下げ、好感度の高い絵、そして読者を引き込む展開力。ケチのつけようがない。またひとり、素晴らしい才能を世に送り出せることに喜びを感じています。編集部一同、連載を心から楽しみにしています。

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佳作 賞金50万円GET!!

絶走
絶走

桜井 ミヤト(21)50P

宮島礼吏先生コメント

答えの無い普遍的なテーマに時代劇の長距離走という斬新な角度から切り込む挑戦心好き。男達の熱血友情物という描き方も少年誌らしく読後感爽やか。なぜこうなったのか印象的。

編集部コメント

独創的!! 韋駄天自慢の飛脚と右足が義足の浪人が、健脚スピードを競い合う「痛快青春陸上時代劇」って……こんな設定見たことない! 主人公の飛脚と浪人のなぜか爽やかな友情が楽しく、短距離走対決のシーンも迫力に満ちていた。ページ数の都合で割愛されたのだろうが、異国人の忍者と競う「大長走」も正直じっくり読みたかった!!

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野村ナオと京極ヒナは
野村ナオと京極ヒナは

シャリオ(20)38P

宮島礼吏先生コメント

キャラデザセンスもあり、表情の描き方が上手く、親しみを感じさせる画面が好き。身近な舞台からテーマを探してこられるのは優秀。画力も高く表現力もあるので王道ストーリーにも期待。

編集部コメント

テーマは“家族愛”。難しいテーマだけど、斬新な切り口で丁寧に描いている。またキャラクターの心情を表情や態度で読者に伝えようとしているのはとても好感が持てる。残念な点は結末の構成、もっともっと気持ちよく、読後感よく、終われる方法があったと思う。不完全燃焼感が残る。

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FULL TEEN
FULL TEEN

原口 鳳汰(23)50P

宮島礼吏先生コメント

アクションでも分かり辛くならない画面作りとデッサン力。少年誌新人賞らしいテーマと見せ場。トーン処理の生き生きさ◎。「世を忍ぶ忍」を描いた意味を感じればもっと好き。コミカルにしたい雰囲気が伝わるが、絵の幅が狭く表現出来てない。

編集部コメント

迫力ある画面構成、熱い主人公、ラストのバトル、王道で楽しかったです。家族のドラマもきっちり入ってました。課題としてはキャラデザ(特に主人公)。そして一部気合が入りすぎてゴチャっとした画面構成。忍者モノなのに、ラストバトルが特殊な刀メインで面白い忍術や戦法がなかったのも、少し残念でした。

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4人はそれぞれウソをつく
4人はそれぞれウソをつく

橿原まどか(25)24P

宮島礼吏先生コメント

女の子が可愛く、魅せられる幅も広いので武器を最大限に活かせてる。ただその分流石に読み辛い。ゴチャわちゃ可愛い感がギャグ特性な気もするから整理が必要。大佐好き。

編集部コメント

4人の女の子(実は男もいるが)がとにかく可愛い。見た目が可愛いだけでも大きな武器なのに、4人がそれぞれ抱えている秘密がしっかりと個性になっている。その秘密を抱えていることで4人のやり取りから目を離せないので、とても良い設定だと思います!

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特別奨励賞 賞金15万円GET!!

地球滅亡ちょっと前

さらに宮島礼吏賞!!

地球滅亡ちょっと前

西川 純二(20)45P

宮島礼吏先生コメント

良くも悪くもアクだらけだけど結局一番印象に残ってた。どうやって描いてるのか分からない。画面から一杯に溢れ出る現代感。続きが読みたい。30歳でこれ描いてたらヤバい。とにかく一番会って話してみたかったので宮島賞。

編集部コメント

非常に野心的な作品。遊び心満載の自由な発想の連続に、最後のページまで驚かされ続けました! ただ今は仕掛けの部分や設定に頼った面白さなので、その自由さは大切にしつつも、今後はキャラのディティールなどにもこだわって面白さの幅を広げて行ってほしい!

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トムライマンザイ!
トムライマンザイ!

了解 太郎(20)48P

編集部コメント

相方を失くしたお笑い芸人が、失意から立ち上がり、お笑いの舞台に立つという筋書きは既視感のあるものですが、主人公のケジメの付け方にオリジナリティを感じ、良いキャラクターだなと気に入りました! 行動を熱量でなく、独自のアイデアで描いた点を高評価しました。

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UNDEAD!!
UNDEAD!!

大上 明(22)49P

編集部コメント

絵は、まだ雑。しかしネームは抜群に面白い! 差別を受けているマイノリティーの不死者の絶望感がよく表現されている。キャラの描き分けも実に巧みで、主人公レオン、ヒロイン、協力者、敵、それぞれがこの世界、この状況においてふさわしい行動をとり、リアリティのあるセリフを話し、叫んでいる。才能は充分だ。ただただ画力が惜しい。上達熱望!!

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Slave×Brave
Slave×Brave

餅月 舞茶(20)49P

編集部コメント

貧しい暮らしから抜け出すため、「オレ、奴隷になる!」と明るく堂々と宣言する主人公のパワーがとても気持ちが良かったです。バトルシーンは豪快な描きっぷりがケレン味○。主人公単体でなく、キャラ同士の人間関係を描き出すのに、このパワーが発揮されれば、作品はもう一段上のステージに上がると思います!

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走馬灯撮影スタジオより
走馬灯撮影スタジオより

山石 ふるみつ(20)36P

編集部コメント

走馬灯は天使たちが撮影し死にゆく人達へと届ける“人生最後の映画”だった。短いP数でしっかり満足感のある展開を入れられていて素晴らしい。明るく優しい物語を描けるのは武器。やや淡泊で画一的な絵柄ゆえに読みづらくなってしまったのは少し残念だった。

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Lap Dog
Lap Dog

池田 達哉(20)46P

編集部コメント

とにかくテンポがとても良い! 無駄はなく、かと言って不足もなく。 おそらく「言葉」にこだわりを持って描かれていて、同じ内容を長ったらしく言うか簡潔に言うかの選択ができているように感じました。色々な作家から吸収しつつ、自分の真に描きたいものを見つけてください!

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蝶の夢
蝶の夢

海老 せん(23)50P

編集部コメント

画力はまだまだ、構成も詰め込みすぎな感もあり読みにくい。しかし、それも作品への想いが強いからなのだろう。冒頭の蝶の回想から始まり、儚いラストシーンまでドラマチックに描き切った筆力は期待大。自分の中の「美しい世界」を大切にして精進してほしい。

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秋英伝
英伝

大西 隼(23)50P

編集部コメント

主人公のキャラクターが丁寧に魅力的に描かれ、特にラストのヒロインが馬車から飛び降りる場面は印象的でした! また、全体的に演出も細かく描かれ、読者に「伝える」努力を感じました。気になったのは、演出が盛りだくさんゆえ大事なポイントか少しわかりにくく感じた点です。次回作は読者に何を一番届けたいのかを、より絞りそれに向け描く意識を!

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あの勇姿をもう一度
あの勇姿をもう一度

船越 竣介(19)50P

編集部コメント

人物の表情から背景まで丁寧に描いた力作。勇者を題材にしながら、その実、中間管理職の悲哀がテーマになっているのも面白かったです。ムカつく上司を殴る気持ち良さが味わえました。後半、「気合」以外の手段で相対する敵を倒してくれたら良いと思いました。

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エヴァ
エヴァ

三宅 澄(20)48P

編集部コメント

まず目を引いたのが絵の良さ! 動きのあるシーンは固いものの、表情は魅力十分。ストーリーは「変幻自在の物質」が漠然としていてピンと来なかったのと、入れ替わりが予測出来てそこまで驚かなかった。でも読者を驚かせたいという意欲はGOODです!

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一頻りのお憑き合いを
一頻りのお憑き合いを

モトナリ(24)41P

編集部コメント

テンポの良いストーリー展開、とにかく読みやすい絵の入れ方、そして躍動感溢れる主人公。完成度においては今回の応募作の中でも屈指といって差し支えない。やや特殊なヒロインの感性を、もう少し共感を得られるよう描ければ、もう一つ上の賞にも届いたはずだ。

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殺し屋アンダー ザ キャット
殺し屋アンダー ザ キャット

中崗 孝(25)49P

編集部コメント

キャラクターの好感度が非常に高く、特に主人公が好印象。少年誌の主人公というと大きな声の熱血漢といったキャラクターを描いてくる新人さんが多い中、この肩の力が抜けた雰囲気が目立っていました。セリフ回しもセンスを感じます。画風が少し雑に見えがちだったのが残念でした。次はぜひ連載ネームを作ってほしいと思います。

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奨励賞 賞金5万円GET!!

さらば魔法使い
さらば魔法使い

野上 弾(33)35P

編集部コメント

童貞主人公が魔王になるのを防ぐべく、未来から魔法少女がやってくる。よくある“サキュバスもの”的だが、設定に工夫が感じられる。ただ、魔法少女が主人公に肩入れする理由にはもっと説得力が欲しかった。

LOSER KING
LOSER KING

髙橋ユータ(23)46P

編集部コメント

主人公である女の子魔王が可愛く、目を離せなくなる魅力にあふれていました。物語の構成上、最後のオチは実はあそこから話がもっともっと面白くなるものなので、ストーリー構成にもう一考必要だったかもしれません。

藤宮さんはずれてい』
藤宮さんはずれている

七星 まあせ(21)50P

編集部コメント

無口な藤宮さんの表情や所作を愛らしく描けていました。男女とも嫌味のないキャラクターで優しい物語ですね。一方、展開・結末が予想できるにもかかわらずページ数が長いのが課題。半分の長さにできると最高でした。

月と星の舞踏会
月と星の舞踏会

みつば38P

編集部コメント

SF設定のバディもの。基礎的な画力は高くセリフの掛け合いもテンポ良かったです。自由度の高いジャンルなので、楽しみ方は明確にしましょう。表情や世界観など、伝えるべき部分の描写が薄いことも気になりました。

CRAZY BOND
CRAZY BOND

彩原 最中(19)49P

編集部コメント

読み進むごとに熱くなる。キャラの熱い気持ちをどんどん乗せていくバトルシーンが気持ちいい。この「熱」は強い武器になる! ページをめくった時、常に印象に残る絵を入れるなど、読者に訴えかける構成を心がけよう!

ドリームランドへようこそ
ドリームランドへようこそ

がしたに(22)32P

編集部コメント

短いページながらも全体的に画力が高く、想像力溢れるシーンも見ごたえがあり1つの読み切りとしてしっかりまとまっていて力を感じました。一方で最後のオチまでの流れが読み進めていくうちにわかってしまったので、もう少し読者に対して意外性を出すことを意識していただければと思います!

廃墟群夜交祭
廃墟群夜交祭

吉木 隆介(33)50P

編集部コメント

キャラ設定や世界観などが、かなり作りこんであり、登場するゴーストのデザインも凝っている。連載1回目にもできる高い完成度だ。ただ、どの設定にも斬新さが足りない。読者は見たことがないキャラクター、世界観、ストーリーを求めている。

宮島礼吏先生の総評

マガジンの新人賞の最終候補にスポーツ物が残っていないという事に「時代」を感じつつも、新しい感性で描かれた作品の数々に良い意味で目眩を感じました。入選2作には作家として(全く違うタイプ)の確固たる武器とその自覚を感じました。個人的に最も得体の知れない感覚で描かれているという基準での宮島賞。『走馬灯撮影スタジオより』、『さらば魔法使い』、『あの勇姿をもう一度』なども好きだった。一読者としても楽しませて頂きました!