第109回新人漫画賞大発表!!
新進気鋭の才能が爆発!! 入選1本を含む総勢17名が雑誌とWEBで掲載決定!! 入選は1本!! 佳作は4本!! 特別奨励賞は12本!! 奨励賞は8本!! 全受賞者を発表!!
入選 賞金100万円GET!!
宮本一平物語
鈴木央先生コメント
主人公のキャラがわかりやすく、かつ主人公が物語をちゃんと動かしている。家族のキャラ、友人のキャラ(特に女の子)もそれぞれ立っていて読みやすかった。だからこそヒロインにも魅力が欲しかったが…。より主人公の目線で見せると感情移入ができたかもしれない。(どうしても脇キャラが主人公を説明しがちになってしまっている)絵の基礎はできているのでより丁寧に描くとより良くなると思います。
編集部コメント
まさに『宮本一平物語』と言うしかないような、爽快な漫画でした。主人公のキャラクターとしての魅力がすごい! ひとことで説明できるような企画性はないし、ストーリーも無軌道なのに、なぜかめちゃくちゃ面白い。天才だと思いました! 特に演出の引き出しの多さと、台詞回しが素晴らしい。少し残念だったのは絵です。審査でもそこが最も議論になりました。画力というよりは絵柄で損していて、「実際の画力よりも下手に見える絵柄」になってしまっていると思いました。非常にもったいないので、色々な絵柄に挑戦してみてほしいです。
佳作 賞金50万円GET!!
マレビト
鈴木央先生コメント
屈折した主人公を表情と状況描写とセリフで上手く見せている。しかしながらもう少し説明が欲しい部分も。キャラの表情を描くことにこだわっている反面、その他の描写がおろそかに。ラストバトル? は正直拍子抜けでした。
編集部コメント
画力が高く、全体的に安定した画面構成とコマ運びで非常に読みやすかったです。主人公は詐欺師で下衆なキャラでしたが感情の筋が通っており、物語の流れを上手く摑めていた上、しっかりと痛い目に遭い苦労しているのでどこか憎めない印象も持ちました。迫力のある構図やアクションなど研究しましょう!
エマ
鈴木央先生コメント
最近よく見る型のヒロインだが可愛く描けている。ヒロインに重きを置いているためか男の子のキャラが弱い。状況描写もほとんど無く会話劇になってしまっているのが難。もっとヒロインと男の子の甘酸っぱい話が見てみたかった。
編集部コメント
地獄の女王・閻魔が意中の男の子を恋に“堕とす”ことを試みる物語。ヒロインのキャラ・絵・コメディ、すべてがハイレベルで、何よりも「あの手この手で読者を楽しませてやろう」という、プロの漫画家に求められるサービス精神を感じた。本作に関しては、終盤の流れにやや唐突さを覚えたが、それでも即戦力!早く連載が読みたいです!
歩雷原
鈴木央先生コメント
しょっぱなの驚かせは面白い!…がそこからの導入部が長すぎる。そのページをヒロインの魅力を見せるのに使ってほしい。主人公は少年誌の主人公らしく好感が持てました。バトルシーンもかっこいい!
編集部コメント
「歩雷」という特殊な兵器として作られた女の子は登場シーンから読者の興味をひたすらにそそる。設定から一見暗い話になるかと読み進めるが、突破力のある主人公と、小気味よく入るギャグの演出が、このストーリーを少年漫画として決定していると思えた。作画の上達は必要だが、いつか連載漫画家として活躍してほしい。
特別奨励賞 賞金15万円GET!!
ガロートダブルス
編集部コメント
ドラマ作りに必要な要素が綺麗に押さえられていた! また演出とコマ割りが適切で、個性的なキャラの設定、そしてストーリーが流れるように頭に入ってきた! キャラを漫画の登場人物としてではなく、十何年生きてきた1人の人間として描けるようになれば、更なる飛躍があると思う。
SOBO♥KOI
編集部コメント
男性にとって最も魅力的に感じる女性の姿に見える生物「サーフェイス」。主人公にはそれが自分のお婆ちゃんに見えてしまう! という心底馬鹿馬鹿しくて野心的な設定を見事に描き切った。クラスメイトの男子も含め描きっぷりが◎。終盤には私にもシワシワ婆ちゃんが魅力満点に見えた。次作も楽しみ!
パラレルヒーロー
編集部コメント
しがない殺し屋と解散危機の高校生デュオ。知り合いでもなんでもない彼らが、展開上いかに交わるのかドキドキしながら読み進めましたが、ベストな着地。サードストーリーの父と娘の心の交流まで描き、構成完璧です。画力も堅実。作者はまだ17歳! 凄いです!!
県立!! 兎山女子高校
編集部コメント
三十路オーバーの主人公を軸に展開される女子高漫画。コメディ調ながら女子生徒たちの解像度&好感度が軒並み高く、彼女たちの会話を無限に読んでいたいと思わせる一作でした! キャラクター以外の部分の絵の説明力をもっと上げられれば連載獲得も近いはず!
百鬼さんは怖がらせたい
編集部コメント
登場人物の好感度が高く、ホラーが題材なのにとても爽やかなラブコメでした。また読者の予想を裏切る展開がてんこ盛りで、非常に読み応えのある良作です。ただ物語の中盤に段取りが多く、テンポが悪くなってしまったのは残念でした。
昨日の自分に殺される!
編集部コメント
死にたいのに死ぬのが怖い青年。矛盾している感情を、無理なく自然とキャラに演じさせた描きっぷりは見事です。ただ、少し要素が嚙み合ってなかったかもしれません。ヒロインも本屋という職業も、結末と絡ませることができればより濃密な物語になるでしょう。
鉄人
編集部コメント
5000mに全てを懸けるまさに手に汗握る疾走ドラマで読ませていただきました! ネタもドラマも入っているし、一筋縄ではいかない先輩との関係も丁寧に、そして、ストレートに伝わってきました。ぜひ、さらに画力をあげてスポーツ漫画を描き続けて欲しいです!!
天い愛マイ相対甘い
編集部コメント
ヒロインに想いを寄せる主人公の堕天使と、その堕天使を連れ戻したい天使、そしてヒロインによるラブコメ。会話劇のテンポとキレが素晴らしい。キャラの一つ一つの表情にも多くの情報が詰まっている。基礎画力がもっと向上すれば、すぐに連載獲得できるはず。
アリババと108つの泥棒道具
編集部コメント
伝説の盗賊、アリババの108つの道具、死んだ国ラグネシアなど、少年心をくすぐる設定が最高! ぜひこのまま真っ直ぐで王道な作品を描いていってください。絵柄が淡白で迫力に欠けることと、コマ割りが単調で画面に華がないことが次なる課題です。
さらに鈴木央賞!!
ルナイトフレンド
鈴木央先生コメント
決して目新しい題材とキャラではないのですがプロレベルの絵と構成がすばらしい!! 何より独特の雰囲気と間合い、そしてカットにセンスを感じました。しいて言えば主人公・月子に感情がない分もう一人のヴァンパイア・ミシュレにより激しい感情面を出してあげてもよかったと思います。でないと少年誌としては淡々としすぎてしまうので。でも本当にレベルの高い作品です!
編集部コメント
画面構成のセンスが素晴らしい。ページをめくり、コマを目で追うこと自体に気持ちよさを感じさせる力があります。これは今後も大きな武器に。吸血鬼のヒロインが死んだ猫を友達にしたくて嚙んで命を与えるシーンに、静かだけどしっかりした作家性、オリジナリティを感じ、感心しました! デビューを目指そう!
甲斐りつきは、バレたくない。
編集部コメント
「好きな男の子に怪力をバレたくない」キャラクターとコンセプトが明確で楽しみやすい作品でした。ヒロインに加え脇役もエネルギッシュでいいですね! キャラの背景などより深堀りして、より深いドラマにも挑戦してみましょう。
奨励賞 賞金5万円GET!!
恋は盲目!? 挙が全て!!
編集部コメント
化け物を倒す魔法少女とループというモチーフを、作家さんのポップでギャグテイストな持ち味で描いた作品。徐々に追い詰められていく描写の克明さ! 主人公が時折見せるブっ飛んだ所に引き付けられます!
ゆうかいのはてに
編集部コメント
出会ったことがないくらい変なのに、なぜかどこかにいる気がする。そんな不思議な魅力と説得力を兼ね備えたキャラを描けていた! もっとそのキャラの魅力を引き出せる、広がりのあるストーリーを用意できれば……!!
アスラちゃん
編集部コメント
タイトル通りアスラちゃんのチャーミングな魅力が抜群でした! 今回の新人賞の中でも、また会いたいと思える数少ないキャラクターだと感じます。とはいえまだむき出しの才能なので、ぜひどんどん作品を描いて巧みさを身に着けて欲しいです!
ナタリー
編集部コメント
殺し屋と、そのターゲットである少女の物語。後半に仕込まれたひっくり返しが見事にきまっていました。構成力は十分なので、次作ではキャラの背景や趣味趣向を掘り下げて、魅力的な人間を描くことに挑戦してみてください!
ランの蹄跡
編集部コメント
若手ジョッキーと相棒の競走馬の心の成長を描いた物語。画面の描き込みと処理、豊かな表情が素晴らしく、画力はもうプロ級だと拝見しました。ストーリー展開にもう少しアイデアがあれば、もっと評価が伸びたと思います!
大変失礼致しますが
編集部コメント
人助けをしなくては天界から追放されてしまう天使のヒロインと、人に頼れない男の子の物語。36ページでそれぞれのキャラの事情を描き切ったのは見事! やや説教臭さを感じたので、次作ではエン タメ性を意識しよう!
目が笑ってない女ヶ沢ちゃん
編集部コメント
キャラ押しの作品として非常に完成度が高いと感じました。絵にも色気と温かい魅力があって好感の持てる絵柄だと思います。その部分が長所なのは間違いないので、読んでいて温かく幸せな気持ちになれるようなキャラクターと世界観を作る能力を磨いていって欲しいです。
鈴木央先生の総評
バラエティに富んだ作品がそろった印象。ただ全体的にテンポと間合いが課題の作品も多かった気がする。大半の作品がページを20-30%削減できたと思います。もしくはもう少し情報やエピソードを詰め込めたのでは? 好感なのは設定よりキャラで読ませようというものが多かった所。そこを見失わずにこれからも描いていってほしい。